省エネステップアップ術(照明編)

家庭における機器別電気消費量の内訳(平成21年)を見ますと、電気の13.4%が照明器具に使われていることがわかります。電気使用量の多い機器への対策をとることが、省エネ効果を高めるポイントになるため、今回は普段何気なく使用している「照明」の省エネをテーマにしてみました。
環境と家計に優しいくらしをするため、皆さんの家庭でできる「照明」への省エネ対策をご紹介します。
省エネ度1 手軽にできる省エネ対策(こまめな消灯、器具の掃除)
人のいない部屋や廊下の照明はこまめに消灯しましょう。点灯時間を1日1時間短縮するだけでも省エネ効果が得られます!
また、照明の間引きや明るさの調光を行って、必要最小限の灯かりを使用するように心がけましょう。
点灯を1日1時間短縮した場合

照明の調光はリモコンで
リモコンを使用すれば、照明器具のON・OFFや明るさの調光が行えます。また、設定した調光状態を保持してON・OFFが可能なものもあり、省エネな調光状態がキープできるので省エネです。80%の明るさで約20%の節電、60%の明るさで約40%の節電ができるものもありますので、上手に調光機能を使って省エネしましょう。

器具の掃除で明るさアップ!
照明のかさやカバーが汚れると、明るさが極端に低下しますのでこまめな掃除を心がけましょう。金属やプラスチックの部分は中性洗剤を使用して拭き、ガラスの部分は水拭きした後にから拭き、木製の部分等はブラシでホコリをはらってから軽く拭くようにしましょう。
※掃除するときは必ず電源を切った状態で行いましょう。
省エネ度2 LED電球への交換で、消費電力と電気代をDOWN!
白熱電球をご使用の家庭の場合、LED電球に交換すると約80%省エネになり、電気代は2,427円もお得になります!LEDはランプ寿命が長く省エネですが、導入時の注意点がありますので、ご紹介します。

LED電球導入時の注意点
1. 口金(くちがね)のサイズを確認しよう
口金は電球をソケットに差し込む金具の部分の名称です。パッケージに「E17」、「E26」などと表示されており、数字は「口金の直径」を表しています。サイズが違うと取り付けできませんので、注意して購入しましょう。
2. 明るさを確認しよう
LED電球の明るさは、「ルーメン(lm)」という単位で表されます。交換する場合は、下記表を参考にしてください。ルーメンの表示はパッケージにありますので、ご確認ください。
◆一般電球の場合◆
一般電球 | ルーメン(lm) |
---|---|
20形 | 170ルーメン以上 |
30形 | 325ルーメン以上 |
40形 | 485ルーメン以上 |
60形 | 810ルーメン以上 |
100形 | 1520ルーメン以上 |
◆ミニクリプトン電球の場合◆
ミニクリプトン電球 | ルーメン(lm) |
---|---|
25形 | 230ルーメン以上 |
40形 | 440ルーメン以上 |
3. 調光機能に注意しよう
調光機能とは光の明るさを調節する機能ですが、この機能を持つ照明器具にLED電球が対応していない場合がありますので、ご注意ください。(「調光器対応」のLED電球もありますので、パッケージを確認してください。)
4. 密閉型器具への取り付け時には注意が必要
バスルームの照明などのプラスチックカバーで覆っている「密閉型器具」の場合、LED電球の放熱がされずに故障の原因になりますのでご注意ください。(「密閉型器具対応」のLED電球もありますので、パッケージを確認してください。)
5. 断熱材施工器具への取り付け時には注意が必要
天井照明に多いダウンライトは、ライトの上部に断熱材が敷き詰められている場合があり、LED電球の放熱がされずに故障の原因になりますのでご注意ください。断熱材施工器具には下記マークがありますので、確認してください。下記マークがある場合は、「断熱材施工器具対応」のLED電球がありますので、そちらを使用してください。

☆LED電球にはいろいろな色や明るさのものがあり、拡散タイプや集光タイプなど光の広がり方にも種類があります。取り付ける場所や部屋の雰囲気、好みなどで気に入ったLED電球を取り付け、省エネで地球と環境に優しいくらしを実現しましょう!
省エネ度3 センサー付き照明への交換で便利に節電!
明るさを検知して点灯・消灯する「照度センサー」や人を検知して点灯・消灯する「人感センサー」を内蔵した照明へ交換すると、必要な時だけ点灯するので節電になります。また、消し忘れがなくなり、無駄に電気を使用しなくてすむのでおすすめです。
- 照度センサー付き照明
外光の明るさを検知して、暗くなれば自動点灯、明るくなれば自動消灯します。点灯の手間が省け、消し忘れの心配もないので経済的です。点灯照度を設定できるものもあり、使う場所や目的に合わせた利用も可能です。門扉や玄関などの常夜灯として使用すれば、留守中でも暗くなったら自動点灯するので、留守にしているのがわかりづらくなり、防犯にも役立ちます。 - 人感センサー付き照明
人が検知範囲に入ると、センサーで人の動きを検知して自動点灯し、人が検知範囲から離れると自動消灯します。必要な時だけ点灯するため、省エネに役立ちます。
階段や廊下に使用すれば、スイッチをオンにする必要がなく、スイッチを探している間につまずいて転倒することを防止できます。また、玄関や勝手口に使用すれば、暗くなってからの訪問者の安全を保つことができ、点灯することで周囲の注意をひき、不審者への防犯にも役立ちます。
2つのセンサーを同時に使用して快適で省エネな生活を!
照度センサーと人感センサーの両方を内蔵しているものもあります。辺りが暗くなると自動的に照明がほんのり点灯し、人が来るとフル点灯します。また、人がいなくなるとほんのり点灯に戻り、辺りが明るくなると自動的に消灯します。そのため、両方のセンサーを内蔵していれば、昼間は消灯し、夜間のみ検知範囲に人が入ると動きを検知して点灯・消灯、調光を行うので、きめ細かく省エネルギーを図ることが可能となります。
上手にセンサー付照明を使用して、快適で省エネな生活をしてみてはいかがでしょうか?